気が付くとお店の椅子で寝ていた、こんなことは滅多にないことだ……
座ったまま何時間も眠るなんて、「まるで俺じゃないみたいだな…」そんな妙な気持ちで目が覚めたのだ。
そしてその時に見ていた夢もまた妙なものだった……
きっと今際の際に頭を巡るという走馬灯とはああいうものなんだろう。合点のいかない夢というのはこれまでに数え切れないほど見てきたが、逆に何から何まで思い当たる夢は初めてだ……
店を出て、既に高い陽の光を浴びながら部屋に向かう。
コンビニに寄って缶ビールを手に、小さな公園の片隅に……
まだギリギリ〃朝〃といえる時間帯に喉に流し込むビールが、睡眠で水分の抜けた身体に染み渡る。
「朝ビールか……こんな生活が出来ているんだからもう何でもいいか」そんな穏やかな気持ちになって、部屋に戻りまた眠ることにした。
でも、あの夢の続きはもういいかな。